アイドルは電脳握手の夢を見るか

アイドルは青春の縮図。

演劇界がお笑い芸人にとって変わられる日〜マンボウやしろ脚本演出「サイレントキャスター」観劇

 今日は神保町花月で、マンボウやしろさん脚本演出の「サイレンとキャスター」を見てきました。大声で言いたいですが、まだマンボウやしろさんのお芝居に触れたことがない人は今すぐ見に行ったほうが良い!!!!!!特に演劇が大好きで、だけど最近好きなお芝居に出会うことができないなあ…と感じる人こそ、今すぐ見に行くべきです。

 
 芸人さんが作るお芝居がとにかく面白い。餅は餅屋と言いますが、正直その辺の脚本家や演出家よりも面白いものを作られている感じが強くて、舞台オタクとしては嬉しくもあり悔しくもあります。こんなにヒリヒリした緊張感や臨場感がある舞台はなかなかお目にかかれなくて、それは偏に題材の選び方の妙と、キャラクターの生き生きとした描き方からくるものでしょう。それは演じる役者さんも同じ。小手先の技だけではなく、等身大の誰か、というものに寄り添ってその人を表現しきることが出来るのは、芸人さんという存在が絶えず人を観察し、自分の感じた世界を人に共感してもらうために、絶えず努力しているからなのでしょう。
 
 若さはない。絶世の美青年でもない。けれども当たり前に生きる人の悲しみ、喜び、美しさ、覚悟を表現することができる。芸人さんは本当にすごい。うかうかしてると演劇界もいつの間にか、お笑い界にとって変わられてしまう日が来るかもしれない。なぜなら芸人さんたちは常に油断なく、常に成長を重ねてくるからである。
 
 脚本演出のマンボウやしろさんは2,016年にサイコロを振って、1の値が出なかったら芸人をやめるそうだ。その際には是非とも演劇界へ。1人のファンとして楽しみにお待ちしています。けれども、やっぱり芸人としてもそこに立っていていただきたい。そんな気もするなあ。